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1週間前に取ったMRIの結果を聞くため、新橋の医者に行った。予約があるのに1時間半ぐらい待たされた。ここは予約が必要なのに、毎度かなり待たすのだ。待ってる間に近くでうつむいて座っていた激ヤセの人の顔をひょいとみると、ベテランクライマーのSさんだった。ジムでルートセットをしていてグランドフォールし、手の骨を折ったらしい。ぐるぐる巻きの包帯が痛々しかった。「歳取ると、ブランクを明けると、取り戻すのが大変なんだよ」と言っていた。
 ようやく順番が回ってきた。院長は数十枚撮影されていたMRIの画像を見て、めんどくさそうに「こんなにたくさん撮ることはないんだよなあ」などとぼやいていた。この院長はいつも、ぼやきとか文句が多いような感じだ。さっさと何枚か見て「うん治ってる」と一言。私が、一枚の写真を指さして「ここなんか、まだ傷があるようですが」と言うと、「いやそれは治ってる」と一蹴。「一枚だけ、ほんのちょっと、1ミリぐらい傷が残っているのがこの写真だ」と言って示してくれたが、たしかに白い軟骨組織の中に、小さな黒い三日月形の部分があるのはわかるものの、ほかの写真と特段の違いは感じられなかった。でも、専門家がそういうのだから信じるしかない。「ほかはみんな治っていて、つまり99%治癒している。クライミングやって大丈夫」「なんでも大丈夫だ」ということだった。リハビリに向けてどういうことに注意したらいいかを聞いたが、特に役に立つ答えはなかった。こっちが心配していても、もっと重傷の患者をたくさんみている医者から見れば、「ピンピンしている」状態に見えるんだろうし、忙しくて手早く片づけたい様子でもあった。でも、まあ、相当よくなっているのは確かなようなのでよかった。診察室を出るときは思わずにやついてしまった。
 痛めたのが5月6日だから、ここまで4ヶ月近く。まあ、けがが治るまでの期間としてはそれほど長い期間とはいえない。でもいきなりフルパワーのトレーニングはできないし、力が元のレベルになるにはあと2ヶ月ぐらいはかかるだろう。
 まだ手首は疲れると少し痛みが出るし、睡眠不足になっただけでもうずいたりするので、自分としては完治とは思っていない。普段はギプスをはずすことにしたが、当面はトレーニングの時はするつもりだ。そうして、徐々に負荷に耐えられるようにしてから外しても遅くない。