フリークライミングで使うシューズとして今何が一番いいのだろう。
ちょっと前まではファイブテンのV10が前傾壁用の本気靴としてはベストと思っていた。そのV10は2,3年前に買った初期型と思われるもので、初めて使ったとき前傾壁でのエッジング性能には驚嘆したものだ。
 そのV10のソールがけっこう減ってきたため、完全に駄目になる前に次のV10を慣らしておこうと思い、一カ月ぐらい前にまたV10を買ったのだが、今売っているV10は非常に性能が落ちていることが分かった。店で履いた時から(前と同じサイズなのに)妙にゆるい感じがしていたのだが、家に帰って家にあるV10と比較するとかなり変更されていることが判明。具体的にいうと、第一点は、足の甲のあたりの高さが高くなっていて、長さがぴったりのサイズなのに甲のあたりがゆるゆるなのだ。スリッパタイプの靴なので、甲の部分はゴムになっていて、本来はゴムを少し伸ばしながら履き、履いた後はすき間がなくなるのが当然だ。ところがゴムが全然伸ばされず、指二本分ぐらいのすき間ができた状態になってしまう。これだとスタンスに足を置いたときに微妙に靴が動いてしまう感じで繊細な足づかいができないのだ。甲が高いのでもうワンサイズ小さいのを履くという手もあるが、あまりつま先が曲がった状態になりすぎると、かき込みがしにくくなるのでこれ以上サイズを小さくできないように思う。
 第二点目は、ヒールカップが浅く変更されていることだ。私はかなりかかとが出っ張っている足なので、以前の深いヒールカップがとても気に入っていた。ヒールカップが深いので足がつま先方向に押し出され、これが鋭いエッヂングを生む要因にもなっていた。かかとが出っ張っていない足の人はアキレス腱が痛くなるので浅くしたのだろうが、私にとっては改悪と思われた。総合的に見て、初期型に比べ敏感さが失われ、細かい凹凸を的確に捉えることができず、かといってオールラウンドに使えるわけでもないという非常に中途半端な靴になってしまった。ドラゴンだとベルクロで締めるのでちょっとはましなのだろうか。とにかく、初期型V10を大事に使って長持ちさせるしかなさそうだ。
 私が現役で使っているもう一足は、アナサジレースアップで、これは多分6足目ぐらいだろうか。突出した性能はないが、スタンスにどっしりと全体重をかけられる感じでとても使いやすい。インエッジ、アウトエッジとも問題なく使えるし、スメアもそこそこ。バランスが良い靴だと思う。ただし、前傾壁でのエッジングをV10と比べると相当差がある。自分のぎりぎりの難しさのルート(前傾壁)をレッドポイントしようとしていて、少しでも靴で楽をしたいという時は別の選択肢があるような気がする。だが、私の場合、オンサイトでルートのタイプが分からないときはレースアップを履くと思う。
 いずれにしても、初期型V10並の性能の靴がもう一足欲しいものだ。ステルスソールのフリクションが魅力で何年もファイブテンしか使ってこなかったが、スポルティバあたりも試してみたほうが良いのだろうか。